フーラン村は、ベトナムの首都ハノイから60キロ離れた北部のバクニン省クエボ県にあります。
ベトナムには「工芸村」という集落が多く存在しています。陶器、絹織物、木工製品、鋳造品、銀細工など手工芸製品を生産しています。特にバクニン省は、伝統工芸村が多数存在することで有名です。
陶の里
陶芸はベトナムに10世紀から15世紀頃に伝わり、現在も陶器生産村が存在しています。ハノイのバッチャン村、北部バクニン省のトーハ村、そしてフーラン村の3陶芸村が有名です。

約900年も前から陶器が焼かれているフーラン村は、専業で家族経営が主体となる生産体制で村自体が窯元の集合体になっています。
今でも昔ながらの技法で、植木鉢や壺といった大型陶器を生産している500軒の窯元が集まるベトナムの陶の里です。
作る陶器は、大物
バッチャン焼は白土を原料にしますが、フーラン陶器はこの地から取られた赤土を原料にしています。特徴は素焼き。釉薬をかけない手法です。

フーラン村で作られている陶器は、水瓶や骨壺(骨箱)、飾り壷、置物(像)など、大きなものを作るのがメインになっています。

ベトナムでは壺を飾り用として使うこともあり、ベトナム国内の需要が主です。何年も変わらず作り続けているそうです。、食器などの生活用品は作っていません。

どの窯元にも大きな壺が並び、同じ大きさのものを成形したり、飾り絵を描いたりする様子が見られます。とても慣れた手つきで、すごい速さで壺が作られていきます。
ベトナムでも工業化の波が押し寄せており、電動ろくろやガス窯での生産へシフトしてきていますが、フーラン村ではまだ機械の導入は少なく、手作業で行っているところが多いです。

フーラン村では、トラックに壺をむき出しのまま積み込む光景や大量の壺を乗せたトラックをよく目にします。
小石原焼と高取焼と同じ、薪窯

窯は、福岡県朝倉郡東峰村でも見かける薪窯。
家に一つはあるような感じで、火が入れられていました。
フーラン村の陶器は釉薬をかけない素焼きで、小石原焼や高取焼より低温帯で焼かれているそうです。

窯には温度計などはついていません。職人が自分の目で火の色や熱さから温度を見極め、火加減を調節しています。職人だからできる技で、長年の経験と勘で作られています。

経験値から焼かれる手法は、小石原焼や高取焼と同じです。
豊富な資源
村はとてものどかで、日本で言う田園風景のような自然の風景が見られます。道路の左右には、陶器作りに必要な原料の粘土、薪がいたるところで山積みされているのが見られます。資源の多さに圧倒されるほど。

なんとフーラン村陶土は大きくて長い川の周りで採れる長石や磁器土が採れる山々が近隣にあり、川底の泥が天然の釉薬にもなるんです。
まさに陶器を作るための資源がすべて揃った村です。
真面目で手仕事が繊細
フーラン村は、家族経営なので幼い頃から陶器づくりに携わっています。幼い頃から家を親の仕事を見て、手伝っているので感覚で覚え、作陶歴も長い。
熟練の職人達が揃っている村です。

男性も女性も一緒になって働き、おしゃべりをしながらもしっかり手足は動かして細かい作業を行います。芸術的な作品から、手仕事とは思えないほど均一に成形し、同じ絵柄を書き上げます。

男女の労働役割はなく、ロクロから窯焚きまで男女関係なく携わっています。女性の方が体が入るような大きな壺を作って行く姿は驚愕です。
朝が早く7時位から働いています。ベトナムでは11時から2時位まではお昼休憩の時間なのでその時間は誰も働いていません。また仕事が始まると黙々と作業をするという日常を過ごしています。
















