Our mission is to improve the lives of pottery producers in the village of Phu Lang.
フーラン村の危機
ベトナムには「工芸村」という集落が多く存在しています。陶器、絹織物、木工製品、鋳造品、銀細工など手工芸製品を生産しています。バクニン省フーラン村は、陶芸村の一つです。
フーラン村では、昔ながらの技法で水瓶、甕具などの大型の陶器を製作していますが、陶器市場へ独自にアクセスするルートをもっていない為、陶芸従事者の収入は、北部陶芸地域の中では一番低い現状です。
さらに、ガス窯での生産へのシフトという工業化の波が押し寄せており、伝統的な手作りの陶磁器文化が途絶えようとしています。現在は、水瓶、甕具などの大型の陶器市場が縮小、類似の安価な製品が溢れており、このまま同様の大物陶器製作を続けても、商品が無駄に余り、低価格化、かつ陶土の大量消費が続き、天然資源の永続的活用による、陶器生産の継続へ影響を及ぼしかねない状況です。
ベトナムでの市場調査から浮かんできた課題
- 1 品質が良く高価格帯の陶器が少ない
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ベトナムで流通している食器は、日本で作られている陶器と比べると品質が劣っていて、高価格のものも少ない。薄利多売で作られている製品が多い。
現在、機械化の波でベトナムの手作りの工芸品の良さが失われ、品質が保たれない状況になっている。 - 2 お土産としての陶器商品がない
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フーラン村近隣の地域への観光客が増加しているが、お土産としての商品、オリジナル性の高いものがない。昔から、水瓶や骨箱など大物陶器だけを作り続けてきたため、お土産にできるような小さな陶器は作っていない。
ベトナムのお土産として選ばれているバッチャン焼のように生活用品としての陶器品は作られていない。海外の人がベトナムのお土産として買っていく必要性が感じられない。 - 3 飲食店で使用されている食器の品質が低い
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ベトナムでは、日本食の参入をはじめ、世界中の飲食業界が急激に活発化しているが、市場に出回っている食器は、産地も混在していて安くて品質の低いものが多い。高級食材を扱う飲食店で使われるような食器がまだ流通していない状況。
課題から見えたフーラン村の可能性
若者の人口が増え、外国企業の参入や観光客が押し寄せているベトナム。成長し続けているベトナム経済に取り残されているフーラン村ですが、市場調査の中で陶器市場に参入できるポテンシャルがあることがわかりました。
私たちは、フーラン村にある「3つのポテンシャル」からビジョンを導き出しました。フーラン村にある「資源」を使って、陶器生産者の生活を向上させる可能性が見えてきました。
3つのポテンシャル
ビジョン
世界水準の高品質の器をつくる職人がいる村。
旅行者が持って帰れる小さい器をお土産品の販売
高級料理店が扱いたくなる美しさと機能性を兼ね備えた食器が作れる
草の根技術協力
(地域活性化特別枠)
事業概要
■ 事業の概要
対象国名
ベトナム
事業名
ベトナム国バクニン省フーラン村陶器生産者生活向上計画
事業の背景と必要性
ベトナム北部バクニン省にあるフーラン村では、昔ながらの技法で水瓶、甕具などの大型の陶器を製作しているが、陶器市場へ独自にアクセスするルートをもっていない為、陶芸従事者の収入は、北部陶芸地域の中では一番低い。さらに、周辺では、ガス窯での生産へのシフトという工業化の波が押し寄せており、伝統的な手作りの陶磁器文化が途絶えようとしている。市場には、類似の大型商品が溢れており、このまま同様の大物陶器製作を続けても、商品が無駄に余り、低価格化、かつ陶土の大量消費が続き、天然資源の永続的活用による、陶器生産の継続へ影響を及ぼしかねない。
一方、近隣の地域への観光客が増加しているが、お土産としての商品、オリジナル性の高いものが少ない上、品質が高く、高価格のものも少ない。日本食の参入をはじめ、飲食業界が急激に活発化しているが、市場に出回っているものは、安くて品質の低いものが多い。ベトナムでの市場動向を推察すると、高品質・高付加価値の器を使った上級のサービスやしつらえが求められている。そのため、高い技術・技法、陶器についての知識を持つ陶芸家の育成と市場へのアクセスルートの確保が急務となっている。
プロジェクト目標
フーラン村での伝統技術※1 を持つ陶芸従事者が育成される
※1 地域にマッチした(材料、気候)より高い技術、技法、知識のこと
対象地域
ベトナム国 バクニン省クエボ郡フーラン村
対象地域を管轄する在外公館(大使館、領事館、領事事務所)
在ベトナム日本国大使館
受益者層(ターゲットグループ)
フーラン村 陶芸従事者選出グループメンバー80名
生み出すべきアウトプット及び活動
<アウトプット>
- 共同作業場が整備される
- 陶芸従事者がオリジナル製品を生産するための技術、技法を習得する
- フーラン焼マスター※2 が独自の商品開発手法を習得する
※2 当初80名のアウトプット2の活動を経たメンバーのうちリーダーとして選ばれた15名を指す
<活動>
| ステージ | 活動内容 |
|---|---|
| 1-1 | PT と PCC 恊働で、共同作業場の陶芸制作環境を整備する |
| 1-2 | PT と PCC 恊働で、共同作業場の管理・運営計画を策定する |
| 1-3 | PT と GM の協働で薪窯を作る |
| 1-4 | PCC と GM で資材(土、薪、土灰、木灰、藁灰等)を確保する |
| 2-1 | グループメンバー(GM)を 20 名ずつに分け 4 グループを作る |
| 2-2 | PT と PCC の恊働で、1 サイクル 3 か月の研修カリキュラムを作る |
| 2-3 | PT と PCC の恊働で、グループごとの全体スケジュールを策定する |
| 2-4 | PT が GM に対し、3 か月間の研修コースを実施する |
| 2-5 | PT と PCC 協働で1グループ目の研修コースの評価を行い、2 グループ目の研修に反映させる(以後、各グループの研修後、同様の評価、振り返りの実施) |
| 2-6 | 2-4 を 3 サイクル実施する |
| 2-7 | PT と PCC で協議し、80 名の中からマスター15 名を選出する |
| 3-1 | PT と PCC 協働でマスター講座のカリキュラムを策定する |
| 3-2 | PT と PCC 協働でマスター講座を開催する |
| 3-3 | PT とマスターが協働で広報活動を行う |
| 3-4 | マスターが講座修了作品を制作する |
| 3-5 | PT と PCC の代表メンバー及びマスターが活動評価と将来ビジョンについてディスカッションする |
| 3-6 | 東峰村とフーラン村の今後の活動計画を策定する |
| 3-7 | フーラン焼の伝統的陶芸品の認定申請をバクニン省へ行う |
実施期間
2021年8月~2024年8月(3年0ヵ月)
日本側実施機関
東峰村、鬼丸雪山窯元、小石原焼陶器協同組合
相手国側実施機関
バクニン省クエボ郡、フーラン村
■ 応募団体の概要
団体名
提案自治体:福岡県東峰村、指定団体:有限会社 鬼丸雪山窯元
活動内容
東峰村は、350年ほど続く伝統工芸品「小石原焼」、「高取焼」がいきづく陶芸の村であり、伝統産業として村としてこの産業を支えるまちづくりを進めている。
